近居と改めて言われると何の事なのかわからない人も多いと思いますが、高度成長期以前の昭和時代には当たり前のように行われて来た慣習とも言える居住スタイルです。戦前までの日本国内では、ほとんどの場合が親世帯が住む実家のすぐ近くに住むのが当たり前であり、本家から分家して新しく家を建築する新家分けと言う言葉もあります。実際に現在の不動産業界に新家分けと言う言葉が残っており、農業を促進する家を建築できない土地でも新家分けなら新しい家を建築することが出来ます。近居は、政府が少子化対策で推進している居住スタイルですが、昭和時代中期までの日本国内では親世帯が住む家の近くに住むことが当たり前でした。
現在の近居の定義は、交通公共機関や自家用車で30分以内のエリアに住居を構えることであり、昭和時代中期まで継続されて来た慣習とは少々意味合いが違う様です。しかし、高度成長期の集団就職で家族の絆が疎遠になったことで核家族化が進み少子化が大きな社会問題となっているので、近居で家族の絆を取り戻し少子化に歯止めをかける政策は的を射ていると言えます。親世代に子供の面倒を頼んで共働きをすることが可能であれば、若い世代も一人っ子ではなく第2子や第3子と子供を産もうと考えるはずです。逆に親世代の健康管理ができるだけでなく介護にも対応が可能であり、誕生日や敬老の日などのイベントを実施して普段から親孝行がしっかりとできるメリットもあります。
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